日本では携帯電話の大手キャリアとして、AU、Docomo、Softbankの3社が存在する傍ら、近年では格安キャリアの利用者が増えている。
大手キャリアの月額平均利用料が8312円と割高なのに対し、楽天モバイル等の格安キャリアでは4424円と、平均利用料が割安で、これが「格安」と呼ばれる理由だ。
格安スマホ年収別利用率
格安スマホを利用している人の割合を、性別・年齢・年収別で調査した結果、意外な事実が明るみになった。
高年収者の利用率が高い
少し古いデータにはなるが、スマホ比較のすまっぴーが2017年に行った意識調査の結果では、年収が高い人ほど、格安スマホを使っている割合が高かった。
年収1000万円では3割以上の利用率
2017年の時点で、年収1000万円以上の層では、すでに3割以上の利用率となっている。年収200万円以下の層では、20.54%と、格安スマホの必要性が高いと思われる、低所得者層の利用率が低い矛盾する結果となっている。
この事実を踏まえ、なぜ高年収者の格安スマホ利用率が高いのかを、筆者の目線を交えて考察してみる。
なぜ高年収者は格安スマホを使うのか?
調査の結果を見ると、低所得者層の格安スマホ利用率が低い事実が明るみになり、一見矛盾している様にも見えるが、理由を探ってみると、むしろ当たり前の結果なのだと納得させられる。
固定費の恐ろしさを知っている
携帯電話の通信費は、毎月一定額の基本料金と、使った時間や容量に応じた利用料の組み合わせで構成されている。大手キャリアでは、この基本料金が高い。プランの種類は複数あるが、格安スマホと比べると明らかな価格差だ。
高年収者は、高額な通信費を毎月定額以上出ていく固定費だと認識し、長い目で見た時の影響をより理解している。固定費を下げれれば、その他の支出や投資に回せる金額が増えるので、節約できた分より収入が増えたのと同じ効果がある。
大手キャリアの回線を使用している事実
格安スマホを契約販売している事業者(MVNO)は、独自のアンテナや回線を持っておらず、大手キャリアに回線を借りて事業を行っている。
つまり音声通話の質や、データ通信の速度などは、結局大手キャリアと変わらない。高年収者の方が費用対効果を考え、キャリア名に惑わされないようにしているのかもしれない。
まとめ
格安スマホは今後も通信業界を盛り上げ、利用者の割合も増え続けると見られており、今までの常識を覆す価格と精度で、個人の生活を変えていくことになる。
筆者は個人的に、格安スマホの楽天モバイルを利用しているが、既存の大手キャリアに比べ、これと言って使いにくい点は見当たらない。
強いて言うならキャリアポイントが付与されないことくらいだが、楽天モバイルなら楽天ポイントが貯まるので、むしろ使い勝手が良いくらいだ。
なぜ高収入者の格安スマホ利用率が高いかを考えると、高収入者ほど月々のコストに敏感で、固定費を下げる事に重きを置いているのが見て取れる。通信の質に差が無いのであれば、格安スマホを使うのはむしろメリットになる。
固定費削減の意識が高いから高収入なのか、高収入だから意識が高いのか、一度考えてみたいテーマだ。