暑い夏に涼しげな音色を放つ風鈴。風鈴の音を聞くだけで、気分が少しだけ涼しくなる夏の風物詩として、古くから人々に愛される生活アイテムの一つだ。
風鈴とは
風鈴の歴史は古く、中国で生まれたと言われており、元々は竹林に吊るして、風を読む占いに使われていたとか。
日本へは仏教とともに伝わり、平安時代には貴族が魔除として用いたり、江戸時代にはガラスを使った高価な物も登場し、人々の生活に根付いたようだ。
風鈴に使われている素材は実に様々で、ガラスを使ったスタンダードな物から、金属・竹・木材などを使用した物が存在する。
素材の種類は様々だが、構造はどれも同じで、傘の下に糸で吊り下げられた紙が、風を受けて動き、硬い玉が傘に当たって音がなると言う仕組みだ。
この風鈴、実はペットボトルを使って、簡単に手作りする事ができる。次章からその詳しい作り方を、順を追って解説する。
ペットボトルを使った風鈴の作り方
ここから、ペットボトルを使った風鈴の作り方を解説する。手順は簡単なので、誰でも短時間で作る事ができる。
作りたい季節は夏なので、小学生の子供が夏休みの工作として作るのもおすすめだ。
材料と道具
ペットボトル風鈴を作るのに必要な材料は以下の通り。
- ペットボトル
- 毛糸
- 厚紙
- 鈴
- 絵の具(塗料)
- カッターナイフ
- キリ
- ハサミ
ペットボトル
作りたい風鈴の大きさに、合わせたサイズのペットボトルを用意する。ペットボトルの底面が風鈴の傘部分になる。
毛糸
風鈴に鈴と紙を吊るす部分に使用する。手芸店やホームセンターで入手できる。毛糸で無くても、釣り糸や細い紐でも代用できる。
厚紙
風鈴の風を受ける部分に利用する。厚紙と言っても、ダンボール紙のように厚い必要はなく、風を受けた時に安定して揺れ動く物であれば問題ない。
鈴
風鈴の音を出すのに必要な部品。手芸店やホームセンターで入手できる。
絵の具(塗料)
ペットボトルにお好みで色を付け、ステキな風鈴に仕上げるために使用する。
カッターナイフ
ペットボトルを切断する時の切り始めに、切り口を付けるのに利用する。
キリ
ペットボトルの底面に、毛糸を通す穴を開けるのに使用する。無ければ、長めのクギなど、先の尖ったツールを用意する。
ハサミ
ペットボトルや糸の切断、厚紙を切るのに使用する。
ペットボトルを加工
風鈴の傘部分になるペットボトルを加工する。
切断する
ペットボトルの底面から5cmより上に、切断する箇所に印を付ける。好みの傘の高さに合わせて印を付ける。高すぎると風鈴にならないので注意。
付けた印にカッターで切り込みを入れ、そこからハサミを入れてペットボトルを切断する。
色を塗る
切断したペットボトルを、自分の好みの色にする。絵具をハケなどでペットボトルの表面全体に塗る。
穴を開ける
切断したペットボトルの底面に、毛糸を通す穴を開ける。底面の中心にキリやクギを使って、毛糸が通る大きさの穴を開ける。穴が大きすぎると通した毛糸が抜けてしまうので注意。
キリや釘の先端を、ライターやろうそくで炙って熱すると、力を入れなくても、簡単に穴を開けることができる。
厚紙を加工
風鈴下に吊るして、風を受ける部分に使う厚紙を切断・加工する。
切断する
厚紙を縦10cm、横3cmの大きさに切断する。大きさはあくまでも目安だが、厚紙が大きすぎると、風が吹いても揺れず、風鈴の音も聞こえないので注意。
色を塗る
切断した厚紙を、自分の好みの色にする。絵具をハケなどで厚紙の両面、全体に塗る。
穴を開ける
縦長に切断した厚紙の、上の端中央に、毛糸を通す穴を開ける。キリやクギを使って、毛糸が通る大きさの穴を開ける。
毛糸を加工
厚紙と鈴を吊り下げるための毛糸を切断・加工する。
切断する
毛糸は、風鈴を軒下に吊るす部分から、紙を固定する部分まで一本となっているので、全体を通る長さで切断する。
結び目を付ける
毛糸をペットボトル傘の底面に付けた穴に通した時、傘が落ちないように、毛糸の傘が来る部分に、結び目を作る。
組み立て作業
全ての材料の加工が終わったら、いよいよ風鈴の組み立て作業に入る。
ペットボトルに毛糸を通す
毛糸の結び目を付けた側の端を、ペットボトルの底に開けた穴に内側から通す。作った結び目がペットボトルの穴に引っかかり、落ちないようになっている。
鈴を糸に通す
用意した鈴を、ペットボトルに通した毛糸の反対側(下側)から、鈴に付いている輪を利用して通す。
厚紙を固定
厚紙に付けた穴に毛糸の下側を通し、適当な長さで結び、厚紙を固定する。これで鈴と厚紙が吊り下げられた状態になる。
終わりに
完成した風鈴は、軒下やカーテンレールに結び付けて固定する。風が通る場所に固定し、風で厚紙が揺れる事で、鈴から音が聞こえる構造だ。
普段リサイクルゴミとして回収される、ペットボトルを材料にしているので、予算をほとんどかけずに作れる。
ガラスや金属製の風鈴に比べて音色は劣るが、色を塗ったり好きな柄を貼り付ければ、見た目にはおしゃれな風鈴になる。
小学校の夏休みの工作に最適だ。
実際に自分でペットボトル風鈴を作った様子を、下の動画に収めたので、記事と合わせて参考にしてほしい。